てんびん座（天秤座）Libra

てんびん座について

てんびん座は、重さをはかる天秤の形を表した夏の星座です。
プトレマイオスによりまとめられた「トレミーの48星座」の1つで、星座占いの誕生星座で知られる黄道十二星座の1つです。 元々はさそり座の一部であったため、α星とβ星には、アラビア語でそれぞれ「南の爪」「北の爪」を意味する名前が付けられています。

てんびん座はおとめ座とさそり座のあいだに位置しますが、暗い星ばかりの目立たない星座です。β星ズベン・エス・カマリは、てんびん座では最も明るい3等星で、実際には青白い星ですが、肉眼では緑色に見える星として知られています。

西洋占星術では、9/23～10/23生まれが天秤座となります。

てんびん座にまつわる神話

ギリシャ神話では、正義と天文の女神アストレア（ローマ神話の正義の女神ユースティティアと同じと考えられています）の、正義をはかる天秤だとされています。女神アストレアは、となりにあるおとめ座がモデルとも言われています。

その昔、ギリシャ神話の世界では、多くの神々は人間と共に地上で平和に暮らしていました。正義の女神アストレアも地上で暮らし、天秤を使って善と悪をはかりながら、天界と人間界の間で正義を守る役目を担っていました。

ある時、大神ゼウスは地上にパンドラという美しい女性をつかわしました。パンドラは絶対に開けてはいけないと言われていた箱をもっていましたが、好奇心からこの箱を開けてしまいました。この箱にはあらゆる悪・不幸・災いがつまっていて、またたく間に地上に悪や災いが広がってしまいます。

人々は、争いをはじめ、平和だった世界は悪に染まっていきました。人間に嫌気が差した神々はみな天界に帰ってしまいましたが、アストレアは一人残って人々に正義の大切さを伝えようとしました。

しかし、悪に染まった人々はあまりにも多く、耐えきれなくなったアストレアも、天秤を持って天界に帰ってしまいました。この時に天界に持ち帰った天秤が星座になったと言われています。

この物語は「パンドラの箱」としても知られ、かかわると災いが起こるものの例えとして、日常生活でも良く使われます。箱が開けられた時から始まった争いや災いが現代も続いているのは、とても悲しいことですね。

てんびん座の姿（見え方・星図）

てんびん座はどんな形をしているのでしょうか。星空の中でどのように見えるのでしょうか。
イラストや星図を見ながら調べてみましょう。

てんびん座の見つけ方

てんびん座の季節は初夏〜夏。5月上旬の午前0時、6月上旬の午後10時、7月上旬の午後8時頃には南の空40°ほどの高さまで昇り、見ごろとなります。

南の空低く、目印となる赤く輝くさそり座の1等星アンタレスを見つけると、さそりの頭の先に小さな四角形で作られるてんびん座が見つかります。分かりやすい形をしていますが、最も明るいβ星ズベン・エス・カマリでも3等星であり、暗い星が多く見つけにくいかもしれません。

黄道十二星座であるてんびん座は、黄道に沿って東にさそり座、西におとめ座が並びます。さそり座の1等星アンタレスとおとめ座の1等星スピカのちょうど真ん中あたりにてんびん座があります。

※上の星図は20時正中時の星空を表しています。半月前の21時、1ヶ月前の22時、2ヶ月前の24時とほぼ同じ星空となります。

夏の大三角やはくちょう座をガイドにした、てんびん座の見つけ方、夏を代表する星座たちの見つけ方をご紹介しています。ぜひ、ご覧ください。

誕生日にてんびん座は見える？

星座占いの天秤座（てんびん座）の誕生日となる9月〜10月は、てんびん座は地球から見て太陽がある方向にあるため、空の中を太陽と一緒に移動します。このため、星座が昇っているのは昼間となるため基本的には見る事ができません。

しかし、誕生星座と実際の星座の位置がズレているため、日没後の1時間ほどは西の空低くにてんびん座を見つけることができます。

てんびん座 基本データデータの見方