2023年10月29日の夜半過ぎから明け方にかけて、全国で部分月食が見られます。時間帯が夜明け前と早い時間で、月の端が少し欠ける程度の規模が小さな月食となります。

月食とは

月食は、太陽の間に地球が入り、地球の影が月全体または一部をかくし、欠けたように見える現象です。月食は、満月の時に見られる現象で、月が見える場所であれば世界各地で同時に見ることができます。

太陽の光が地球にられてできる影には、光が全く届かない本影と、その周辺にうっすらと明るく広がる半影があります。月食は、月が半影にのみ入る半影食、月が本影の中に入る時の位置によって皆既月食部分月食に分けられます。

月食のしくみ
図:月食のしくみ

2023年10月29日の部分月食

全国で、夜明け前の午前4時34分過ぎから部分食が始まり、約1時間20分ほど続きます。月が隠れる度合いを表す食分は最大で0.126で、月がわずかに隠れる程度となります。

東日本の一部の地域では部分食が終わると直ぐに月が沈んで見えなくなってしまうため、部分食の全過程を見ることはできません。部分食が終わった後も、午前7時28分まで半影食が続きますが、日本では見ることができません。このように月食が終わる前に月が沈んでしまう月食のことを月入帯食と呼びます。

事前に双眼鏡や天体望遠鏡を準備して、秋の天体ショーを見逃さないようにしましょう。

東京では、部分食が始まる午前4時34分には、既に月が西の空低くにあり、月食の進みと共に沈んでいきます。部分食が終わって約10分後の午前6時6分に月が沈んでしまいます。