夏の星座を見つけよう
夏の星座をめぐる旅の出発点は、はくちょう座を見つけることから始まります。はくちょう座をガイド役として、夏の夜空を彩るさまざまな星座を見つけることができるでしょう。
6月上旬なら午前0時過ぎ、日を追うごとに早まり、8月下旬の午後8時ごろには、夏を代表する星座が夜空にせいぞろいする姿を見ることができます。
それでは、はくちょう座をはじめに、夏を代表する星座たちをガイドを見ながら順番に探してみましょう。
すべて
はくちょう座の見つけ方
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夏休みに入った7月中旬の午後10時頃、夜空のちょうど真上(天頂)から少し東に目をやると、天の川の中に大きな十字架の形に並ぶ星々が見つかります。大きな翼を広げた白鳥の姿を表したはくちょう座です。
夏の夜空でひときわ目立つ星座で、1等星のデネブ(α星)をはじめ、アルビレオ(β星)などの明るい星が大きな十字の形を作っています。
※図は、7月15日午後10時 東京の天頂付近の空
わし座の見つけ方
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大きな十字架の形をしたはくちょう座のデネブから天の川に沿って南に目をやると、少し形がくずれた十字架の形に並ぶ星々が見つかります。翼を広げた鷲の姿を表したわし座です。
七夕の「ひこ星」として知られるα星アルタイルはわし座の中心にある1等星で、はくちょう座のデネブと共に天の川に浮かぶ宝石のように輝いています。
※図は、7月15日午後10時 東京の天頂〜南の空
こと座の見つけ方
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はくちょう座のデネブ、わし座のアルタイルを底辺とし、西に三角形を作るように目をやると、青白く輝く明るい星が目に入ります。七夕の「おりひめ星」として知られる、こと座の1等星ベガ(α星)です。
こと座は、ベガと4つの星からなる平行四辺形が、たて琴の形を作る小さな星座です。
※図は、7月15日午後10時 東京の天頂付近の空
ヘルクレス座の見つけ方
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こと座のベガから西に目をやると、アルファベットのHような星の並び、または、大小2つの台形がつながったような星の並びが見つかります。勇者ヘルクレスの姿を表したヘルクレス座です。
夏を代表する大きな星座ですが、壮大なイメージとはちがい3等星より暗い星ばかりの星座なので、見つけにくいかもしれません。
※図は、7月15日午後10時 東京の天頂付近の空
へびつかい座(へび座)の見つけ方
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ヘルクレス座の頭上から南の地平線に向かって少し目をやると、大きな将棋の駒のような形をした星の並びが見つかります。大蛇(へび座)にからみつかれる医神アスクレピオスの姿を表したへびつかい座です。
へびつかい座の底辺あたりから東西に延びる3~5等星の暗い星がへび座を形作っています。
へび座は、へびつかい座にさえぎられる形で、頭と尾が東西に分かれていますが、へびつかい座といっしょの星座と見たほうがわかりやすいでしょう。
※図は、7月15日午後10時 東京の南の空
さそり座の見つけ方
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へびつかい座からさらに地平線近くに目をやると赤く輝く明るい星が見つかります。長い尾の先に猛毒のある針を持ったサソリの姿を表したさそり座の1等星アンタレス(α星)です。
サソリの心臓にあたる星で、その左下にS字をえがくように2~3等星が並んでいて、サソリのしっぽを形作っています。
夏の南の空低く、赤く輝く明るい星を見つけたら、それは、さそり座のアンタレスで間違いないでしょう。アンタレスは、直径が太陽の700倍以上もある赤色超巨星と呼ばれる星で、星の一生の最後に近づいている星と言われています。赤く輝くさそり座の1等星も、せひ、ご覧ください。
※図は、7月15日午後10時 東京の南の空
いて座の見つけ方
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さそり座のアンタレスから天の川の対岸あたりに目をやると、6つの明るい星がひしゃくの形に並んでいます。半人半馬のケンタウルス族のケイローンが弓を引く姿を表したいて座です。
ひしゃくの形に並んだ星々は南斗六星と呼ばれ、ケイローンが弓を引く右手から弓の上弦にあたります。
夏の大三角から地平線にかけて流れる天の川に沿って並んでいるので、天の川をたよりに探してみても良いでしょう。
※図は、7月15日午後10時 東京の南の空
てんびん座の見つけ方
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さそり座のアンタレスから西に目をやると、「く」の字をうらがえしたような形の星の並びが見つかります。重さを量る天秤の形を表したてんびん座です。
名前はよく知られていますが、暗い星ばかりの目立たない星座なので、見つけにくいかもしれません。
※図は、7月15日午後10時 東京の南の空
いて座、さそり座、てんびん座、この星座の並びに見覚えはないでしょうか?
そう、星座占いでおなじみの星座ですね。黄道十二星座と呼ばれるこれらの星座は、天球の上を太陽が1年をかけて移動する間に通る星座たちなので、順番に見つけていくことができるのです。