2023年9月21日の夕方に、全国でさそり座の1等星アンタレスにかくれるアンタレス食(星食)を見ることができます。

西の空低く、まだ空が明るい日の入り前後に見られる現象のため、残念ながら観測には良い条件とは言えません。アンタレスが月から出てくる午後6時半過ぎには空も暗くなってきますので観測のチャンスとなります。1等星の星食は貴重ですので双眼鏡や天体望遠鏡を用意して観測してみましょう。

星食とは

ある天体が別の天体の前を横切ることで後ろの天体が見えなくなる現象掩蔽と呼びますが、月によって恒星惑星がかくされてしまう場合を、特に星食と呼んでいます。

地球衛星である月は地球に最も近い天体で、遠くにある星をかくしながら少しずつ動いていきます。このため、星食自体は珍しいものではありませんが、1等星以上の明るい星や惑星の星食は貴重なイベントとなります。

星食のしくみ
図:星食のしくみ

2023年9月21日のアンタレス食

東京では、午後5時26分過ぎに、南南西の空26°ほどの低い空にある月にアンタレスが左から潜入します。その後15分ほどで日の入りを迎え次第に空が暗くなっていきます。潜入から1時間25分後の午後6時51分頃に17°まで沈んだ月の右下から出現となります。この頃、南の空高くには夏の大三角が輝いています。