太陽に次いで身近な天体である月は、地球のまわりを回る衛星と呼ばれる天体です。

地球から最も近く、地球以外で人が行ったことがあるただ1つの天体ですが、月がどのようにしてできたのか、月がどのような物質でできているのかなど、まだ良く分かっていないこともたくさんあります。

月の姿

月は地球と似て、おもに岩石で出来ています。月にも海と呼ばれる所がありますが、水は無く、砂漠のような地形が広がります。隕石がぶつかってできたクレーターと呼ばれる穴もたくさんあります。

月には大気がほとんど無く、太陽の光が直接あたるため、昼間は100℃を超える熱さとなりますが、夜は一気に温度が下がりマイナス200℃の冷たさとなります。

月の姿

月の満ち欠けのしくみ

地球から見た月は、新月満月半月三日月というようにその姿を変えていきます。これは、地球のまわりを回る月と太陽と地球の位置関係の変化によるもので、月の満ち欠けと呼ばれています。月の形が変わるわけではなく、地球から見た時に太陽の光が当たっている部分だけが輝いて見えているのです。

月は地球のまわりを楕円軌道を描きながら、約29.5日かけて回っています。真っ暗で見えなくなる新月から満月へ(この時期の月を上弦の月と呼びます)、また、満月から新月へ(この時期の月を下弦の月と呼びます)と、見かけの形を変えていきます。

新月からの経過日数を表したものを月齢と呼びます。新月が月齢0、満月が月齢14~15で、月齢29頃に新月に戻ります。

とても珍しいことですが、月の自転公転の速さが同じため、地球からはつねに月の同じ面しかみることができません。

月の満ち欠けのしくみ
図:月の満ち欠けのしくみ

観測メモ

双眼鏡天体望遠鏡で見る月面には、たくさんのクレーターや山脈、谷などが見えます。満月の時は、太陽の光が上から当たるため陰影しく、地形を立体的にとらえることが難しくなります。月が少し欠けているほうが影によって凸凹がはっきりするため、満月より半月や三日月の時のほうが観測しやすいでしょう。

満月の時の月はとても明るいため、長時間見続けると眼を痛めることがあります。観測は短時間づつ行い、市販のムーングラスを使って眼を保護するようにしましょう。

基本データデータの見方

半径1.738 x 103 km(地球の約0.273倍)
質量7.348 x 1022 kg(地球の約0.0123倍)
体積2.197 x 1010 Km3(地球の約0.020倍)
表面積3.794 x 107 Km2(地球の約0.074倍)
表面温度-233~123℃
自転周期27.322 地球日
地球からの平均距離3.844 x 105 Km(2.570 x 100-3 AU)
近日点距離3.631 x 105 Km(2.427 x 100-3 AU)
遠日点距離4.051 x 105 Km(2.712 x 100-3 AU)
公転周期 27.322 地球日