私たちの身のまわりの物の大きさや距離をはかるとき、センチメートルやメートルという単位を使います。

星はとても遠い場所にあったり、とても大きいため、これらの単位で表すと大きな数になりすぎて不便です。そこで、星までの距離や大きさを表すためにいくつかの便利な単位が用意されています。

地心距離

天体と天体の距離を測るとき、一般に各天体の中心間の距離を測り、地心距離として表します。月と地球の地心距離は約35万〜41万キロメートルの間で近づいたり離れたりしています。

光年(ly)

光が1年間に進む距離のことを1光年と呼びます。

光は1秒間に約30万kmの距離を進むので、1光年をメートルで表すと、9,460,730,472,580,800m(約9.46×1015m)となり、とても大きな距離であることが分かります。

オリオン座の1等星ベテルギウスまでの距離は約640光年なので、ベテルギウスから出た光が地球に届くまで640年もかかることになります。今、私たちが見ている星の光のほとんどは、遠い昔に星が発した光なのです。

光年の概念図
図:光年の概念図

天文単位(AU)

おもに太陽系の星の距離を表すのに使う単位で、太陽と地球の間の平均距離を1天文単位と呼びます。

1天文単位をメートルで表すと、149,597,870,700 m(約1.50×1011m)となり、光年よりは短い距離を表すのに便利です。

地球は太陽のまわりを楕円を描きながら公転しているので、太陽と地球の距離は0.983~1.017天文単位の間で変化します。

天文単位の概念図
図:天文単位の概念図

見かけの大きさ

上の2つの単位は実際の距離や大きさを表すものですが、天文の世界では、見かけの大きさを角度を使って表す方法も良く利用されます。

地球を中心とした天球は、1周で360度(°)になり、天球上の星と星の間の距離や大きさは0~360度で表すことができます。1度より小さい角度は、1度=60分(′)、1分=60秒(″)という単位で表します。

を伸ばして、こぶしをにぎったときの高さがやく10度になるので、地平線から星までの高さを測る時は、自分の手をつかっておおよその高さ(距離)をはかることができます。

高さのしらべ方
図:高さのしらべ方

また、こぶしの大きさの他にも、腕を伸ばして小指を立てたときの小指の幅がやく1度、開いた手のひらがやく20度になるので、高さや距離を測るときの参考にしましょう。

見かけの大きさの目安
図:見かけの大きさの目安

見かけの角度を使って星の大きさを表したものを視直径と呼びます。の視直径は約0.5度、全天で最も明るい恒星であるシリウスは0.006秒です。