星の明るさとは

星の明るさを表す場合、等級という単位が使われます。等級には見かけ等級や実視等級絶対等級などの種類があり、小さい数値ほど明るくなります。1.5等級未満の明るさを持つ星を1等星と呼び、全天で21個の1等星があります。

等級

地球から見た星の明るさは、一般的に「等級」という単位で表されます。

天文学者ヒッパルコスが肉眼で見える最も明るい星を1等星、 やっと見えるくらいの暗い星を6等星と決めたのが始まりで、等級が小さいほうが明るくなります。1等級ちがうと明るさが2.5倍ちがい、0等星やマイナス1等星などの、より明るい星もあります。

冬の夜空に明るく輝くおおいぬ座シリウスはマイナス1.5等級、夏の夜空に赤く輝くさそり座アンタレスは1等級になります。

等級には、地球から見た時の見かけ上の明るさを示す「見かけ等級」や、肉眼で見える波長の範囲で観測した明るさを示す「実視等級」など、いくつかの基準があります。

星の明るさ
図:星の明るさ

等星

星を示すときに、「こと座の1等星ベガ」とか「しし座の2等星デネボラ」など、「等星」という呼び方をする場合があります。

等星は星の等級をある範囲で分けた場合の呼び方で、実視等級が0.5等級以上1.5等級未満の明るさの星を1等星、1.5等級以上2.5等級未満を2等星というように、星を明るさでグループに分けるときに使います。0.5等級より明るい星は0等星やマイナス1等星となりますが、一般的に1.5等級未満の星を1等星と呼んでいます。

絶対等級

地球から星までの距離はいろいろです。同じ明るさに見える星でも、地球に近い星だったり、遠い星だったりすることもあるのは、星そのものの明るさや大きさが違うからです。

星そのものの明るさは、「絶対等級」という単位で表されます。 これは、星までの距離を同じにした場合(約32.6光年)の明るさを比べたもので、シリウスは1.4等級、アンタレスはマイナス4.9等級となり、星そのものの明るさはシリウスよりアンタレスの方が明るいのです。

1等星一覧

全天には1.5等級以上の明るさを持つ星が21個あります。その多くは星座を形作る主要な星であり、日本からは見ることができない星もあります。

表:1等星一覧
名称符号見かけ等級星座
1シリウスα CMa-1.46 *おおいぬ
2カノープスα Car-0.74りゅうこつ
3ケンタウルス座α(αA+αB)α Cen-0.1ケンタウルス
4アークトゥルスα Boo-0.05うしかい
5ベガα Lyr0.03 *こと
6カペラα Aur0.08 *ぎょしゃ
7リゲルAβ Ori0.13 *オリオン
8プロキオンα CMi0.37こいぬ
9ベテルギウスα Ori0.42 *オリオン
10アケルナルα Eri0.46 *エリダヌス
11ハダルβ Cen0.60ケンタウルス
12アルタイルα Aql0.76わし
13みなみじゅうじ座α(α1+α2)α Cru0.81みなみじゅうじ
14アルデバランα Tau0.86 *おうし
15スピカα Vir0.97おとめ
16アンタレスα Sco1.09 *さそり
17ポルックスβ Gem1.15ふたご
18フォーマルハウトα PsA1.16みなみのうお
19デネブα Cyg1.25 *はくちょう
20ミモザβ Cru1.25 *みなみじゅうじ
21レグルスα Leo1.40 *しし

*変光により明るさは変わります。

※文献により見かけ等級は異なります。
※名称は、変更または規定する範囲が変わる場合があります。