秋の星座を見つけよう
秋は明るい星が少なく、星座を見つけるには少しむずかしい季節です。しかし、この季節ならではの楽しさがあります。
秋の星座には古代エチオピアの王女アンドロメダをめぐる壮大な物語をはじめ、さまざまな神話が伝えられています。その登場人物たちを探して、冒険の旅に出かけてみてはいかがですか?
秋の星座をめぐる旅の出発点は、ペガスス座を見つけることから始まります。ペガスス座をガイド役として、秋の夜空を彩る神話の登場人物をはじめ、さまざまな星座を見つけることができるでしょう。
10月上旬なら午後10時過ぎ、日を追うごとに早まり、12月上旬の午後7時ごろには、秋を代表する星座が夜空にせいぞろいする姿を見ることができます。
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ペガスス座の見つけ方
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11月中旬なら午後8時頃、南の空、天頂近くまで目を上げると、大きな四角形を作るように並ぶ4つの2等星が見つかります。翼が生えた天馬の姿を表したペガスス座です。4つの星はペガススの胴体にあたり、頭を下に、西を向いた姿で横たわっています。
ペガスス座を作る四角形は、秋の大四辺形と呼ばれ、秋の星座のガイド役となっています。
※図は、11月15日午後8時 東京の天頂〜南の空
アンドロメダ座の見つけ方
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秋の大四辺形の南西の星(ペガスス座α星マルカブ)から北東の星を結んだ線をさらにのばしていくと、3つの明るい星が次々に見つかります。この4つの星を結んだ線が頭から左脚へと伸びる女性の姿を表したアンドロメダ座です。
王女アンドロメダの頭にあたる2等星アルフェラッツ(α星)はアンドロメダ座の星ですが、秋の大四辺形としてペガスス座を形作る星ともなっています。
海の怪物ケートス(くじら座)の生け贄として鎖につながれた王女の姿をしたアンドロメダ座は、秋の大四辺形につながる見つけやすい星座ですので、神話を思い出しながら探してみましょう。
※図は、11月15日午後8時 東京の天頂付近の空
ペルセウス座の見つけ方
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秋の大四辺形の南西の星(ペガスス座α星マルカブ)から北東の星(アンドロメダ座α星アルフェラッツ)を結んだ線を、アンドロメダ座の足下の先までのばしていくと、少し黄色く輝く2等星が目に入ります。ペルセウス座のα星ミルファクです。
囚われた王女アンドロメダを救う勇者ペルセウスが、剣を持つ腕を振り上げ、もう一方の手には退治した魔女メデューサの首を持っている姿を表していますが、形が複雑なので、星の並びからその姿をイメージするのは難しいかもしれません。
※図は、11月15日午後8時 東京の天頂〜北の空
カシオペヤ座の見つけ方
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アンドロメダ座から北に目をやると、天の川の上に大きなW(またはM)の形に並んでいる5つの2〜3等星が見つかります。イスに座る古代エチオピア王妃カシオペヤの姿を表したカシオペヤ座です。
日本では、一年を通して見ることができる見つけやすい星座で、北極星を中心に北斗七星があるおおぐま座の反対側に位置しているため、北極星を探す道しるべとしても利用されています。
カシオペヤはアンドロメダの母親にあたりますが、娘の美しさを自慢するあまり神々の怒りをかい、娘を海の怪物(くじら座)の生け贄に差し出すことになります。
※図は、11月15日午後8時 東京の天頂〜北の空
ケフェウス座の見つけ方
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アンドロメダ座の足下からカシオペア座をはさんだ反対側へ目をやると、大きな五角形に並んだ5つの2〜3等星が見つかります。古代エチオピア王ケフェウスの姿を表したケフェウス座です。
北極星の近くにある北天の星座の1つで、日本では一年中見ることができます。暗い星が多いのですが、形がはっきりしているので見つけやすいでしょう。
ケフェウスは、北の空で隣どうしで並ぶカシオペヤとは夫婦で、アンドロメダの父親にあたりますが、神話の中では、星座と同じくあまり目立たない存在になっています。
※図は、11月15日午後8時 東京の天頂〜北の空
うお座の見つけ方
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秋の大四辺形の北西の星(ペガスス座β星シェアト)から南東の星(ペガスス座γ星アルゲニブ)を結んだ線をさらに南東へのばしていくと、明るい星を頂点に暗い星が「く」の字を描くように並んでいます。2匹の魚がヒモで結びつけられたような姿をしたうお座です。
結び目にあたるα星アルレシャには「ひも」という意味があり、4等星と5等星の連星になっています。他にも暗い星ばかりのため、姿をイメージするのは難しいかもしれません。
うお座には美の女神アフロディーテとその息子エロスにまつわる神話が伝えられています。
※図は、11月15日午後8時 東京の天頂〜南の空
くじら座の見つけ方
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うお座の結び目にあたるα星アルレシャから東に目をやると、小さな五角形に並んだ5つの暗い星が見つかります。手が生えた怪物クジラの姿を表したくじら座です。
五角形を頭として南西にのびる大きな星座ですが、暗い星ばかりなのでその姿をイメージするのは難しいかもしれません。クジラの心臓にあたるο星ミラは、約330日周期で2等星から10等星まで明るさを変える変光星と呼ばれるふしぎな星です。
神話では、アンドロメダを食べようとする海の怪物として登場します。
※図は、11月15日午後8時 東京の天頂〜南の空
みずがめ座の見つけ方
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秋の大四辺形の北西の星(ペガスス座β星シェアト)から南西の星(ペガスス座α星マルカブ)を結んだ線を、南の地平線近くまで伸ばして行くと1つの明るい1等星にたどりつきます。みずがめ座の水瓶から流れ出た酒が流れ込むみなみのうお座のα星フォーマルハウトです。フォーマルハウトは秋の南の空で輝くただ1つの1等星なので見つけやすいでしょう。
フォーマルハウトから北へ目を向けると、小さな4つの星が三ツ矢の形に並んでいます。みずがめ座は、この4つの星を水瓶の口として、ペガスス座とみなみのうお座の間に大きく横たわっています。
みずがめ座は、水瓶をかかえる美少年ガニメデスの姿を表した星座です。黄道十二星座の1つでもあるみずがめ座ですが、暗い星が多く目立つ星座ではありません。
※図は、11月15日午後8時 東京の天頂〜南の空