水星は太陽系で最も太陽に近い惑星で、その大きさや重さが太陽系の惑星の中で一番小さい星です。
水星は、その多くが鉄やニッケルなどからなる岩石質の星で、太陽に近いため昼は400℃を超える熱さになり、夜はマイナス170℃という冷たさになります。大気は無く、表面には隕石がぶつかってできたたくさんのクレーターがあります。
2022年の水星
太陽に近い内惑星である水星は、1年を通して星座の中を大きく移動していきます。年初にいて座にある水星は、いちどやぎ座に入った後、1月14日には留を迎え逆行していて座に戻ります。2月4日の留を過ぎると順行となり、やぎ座、みずがめ座、うお座と、黄道十二星座を巡っていきます。2022年では他に5月11日、9月10日、12月29日に留となり逆行現象が見られます。
水星は、東方最大離角、西方最大離角の前後の期間は高度が高くなり観測しやすくなります。特に日没後に観測できる1月上旬、4月下旬〜5月上旬、12月下旬が観測のチャンスとなります。4月29日の東方最大離角の頃には高度が19°に達し、すぐ近くにおうし座のプレアデス星団が見られますので、天体望遠鏡での観測をおすすめします。


東方最大離角 | 1月7日、4月29日、8月28日、12月22日 |
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西方最大離角 | 2月17日、6月16日、10月9日 |
内合 | 1月23日、5月22日、9月23日 |
外合 | 4月3日、7月17日、11月9日 |
留(順行から逆行) | 1月14日、5月11日、9月10日、12月29日 |
留(逆行から順行) | 2月4日、6月3日、10月1日 |
※国立天文台参考値
観測メモ
内惑星で、太陽に近いということにより、天体望遠鏡でも見ることが難しい天体です。最大離角の時期などにマイナス0.4等星ほどの明るさになりますが、日の出前と日の入り後のわずかな時間しか観測することができません。
基本データデータの見方
半径 | 2.440 x 103 km(地球の約0.383倍) |
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質量 | 3.301 x 1023 kg(地球の約0.055倍) |
体積 | 6.083 x 1010 Km3(地球の約0.056倍) |
表面積 | 7.480 x 107 Km2(地球の約0.147倍) |
表面温度 | -173~427℃ |
自転周期 | 58.646 地球日 |
太陽からの平均距離 | 5.791 x 107 Km(0.387 AU) |
近日点距離 | 4.600 x 107 Km(0.308 AU) |
遠日点距離 | 6.982 x 107 Km(0.467 AU) |
公転周期 | 87.97 地球日 |