星座占いでもおなじみの黄道十二星座の1つ「かに座」は、2月〜3月下旬に見ごろとなる春の星座です。
古くから知られるわりには、暗い星が多いために目立たないかに座について、基本的な特徴、歴史や神話、星座の姿や見つけ方を星図や星空パネルを使って分かりやすく解説します。まだ寒さが残る春の夜にかに座を探してみませんか?
なお、星座占いの蟹座(かに座)について詳しく知りたい方は、以下のページもご覧ください。
かに座について
かに座は、その名のとおりカニの姿を表した春の星座です。
プトレマイオスによりまとめられた「トレミーの48星座」の1つで、星座占いの誕生星座で知られる黄道十二星座の1つです。
最も明るいβ星タルフでも4等星という暗さのため、7つの4〜5等星からカニの姿を想像するのは難しいかもしれません。
かに座のほぼ真ん中に、かに座の目印ともなるM44プレセペ星団があり、肉眼でも雲のように淡く光る小さな星団を見ることができます。プレセペには「飼い葉桶」という意味があり、近くにあるγ星とδ星を2頭のロバに見立て、その間にある飼い葉桶からエサの葉っぱを食べている姿と言われています。
西洋占星術では、6/22~7/22生まれが蟹座となります。
かに座にまつわる神話
ギリシャ神話では、勇者ヘルクレス(ヘルクレス座)が水ヘビの怪物ヒドラ(うみへび座)と戦った時に、ヒドラに味方してヘルクレスに踏みつぶされた怪物カニが、かに座になったと言われています。
大神ゼウスと愛人アルクメネの子供ヘルクレスは、自分の子供を殺した罪を償うため、12の試練を行うことになりました。その1つであるヒドラとの戦いが物語の舞台となります。
ヒドラは、9つの頭を持つヘビで、その一つ一つの頭を切り落とす度に、新たな二つの頭が生えてくる怪物です。
ヒドラの友人である怪物カニのカルキノスは、最初はこの戦いをながめているだけでしたが、ヘルクレスを嫌っているゼウスの妻ヘラにそそのかされて、ヒドラを助けようとヘルクレスに戦いをいどみます。
しかし、カルキノスはヘラクレスによって踏みつぶされて、死んでしまいました。ヘラはこれを哀れんで、カルキノスを天にあげて星座にしたと言われています。
かに座の姿(見え方・星図)
かに座はどんな形をしているのでしょうか。星空の中でどのように見えるのでしょうか。
イラストや星図を見ながら調べてみましょう。
星空パネルでは、星座を作る星や星座線、イラストなどをオン・オフしながら、かに座の姿を楽しむ事ができます。
かに座の見つけ方
かに座の季節は冬〜春。1月下旬の午前0時、2月下旬の午後10時、3月下旬の午後8時頃には南の空70°ほどの高さまで昇り、見ごろとなります。
ふたご座の1等星ポルックスとしし座の1等星レグルスのちょうど真ん中当たりにあり、かに座のM44プレセペ星団は、双眼鏡で探す目印にもなっています。
黄道十二星座であるかに座は、黄道に沿って東にしし座、西にふたご座が並びます。この時期、西の空には冬の星座が、かに座を境に東の空には春の星座が輝き、季節の変わり目を感じさせてくれます。
※上の星図は20時正中時の星空を表しています。半月前の21時、1ヶ月前の22時、2ヶ月前の24時とほぼ同じ星空となります。
春の大曲線や春の大三角、北斗七星をガイドにした、かに座の見つけ方、春を代表する星座たちの見つけ方をご紹介しています。ぜひ、ご覧ください。
誕生日にかに座は見える?
星座占いの蟹座(かに座)の誕生日となる6月〜7月は、かに座は地球から見て太陽がある方向にあるため、空の中を太陽と一緒に移動します。このため、星座が昇っているのは昼間となるため基本的には見る事ができません。
しかし、誕生星座と実際の星座の位置がズレているため、日没後の1時間ほどは西の空低くにかに座を見つけることができます。
かに座 基本データデータの見方
和名 | かに座(蟹座) |
---|---|
学名 | Cancer |
略符 | Cnc |
設定者 | プトレマイオス(トレミー) |
概略位置 | 赤経:8h30m0s 赤緯:+20° |
面積 | 505.872平方度(全天31位) |
---|---|
20時正中 | 3月25日ごろ |
正中高度 | 約74° |
主な季節 | 春 |
肉眼星数 | 約100個 |