「明けの明星」「宵の明星」と呼ばれ親しまれている金星は、太陽に2番目に近い惑星です。
地球より太陽に近い軌道を回るため、水星とともに内惑星とも呼ばれ、月のように満ち欠けをします。
金星は地球より少し小さく、地表には隕石がぶつかってできたくさんのクレーターがあります。大気は二酸化炭素や硫化物で、厚い雲でおおわれています。この雲のために熱が逃げにくく、地表は460℃をこえる熱さで、太陽系で最も熱い星といわれています。
明け方の東の空と夕方の西の空に、地平線近くにひときわ明るく白く輝く金星を見ることができますが、内惑星であるため太陽の近くにあり、夜中には見ることができません。
- 2026年
- 2025年
2026年の金星惑星の動き
太陽に近い内惑星である金星は、1年を通して星座の中を大きく移動していきます。
年初にいて座にある金星は、10月にかけてやぎ座、みずがめ座、うお座、おひつじ座、おうし座、ふたご座、かに座、しし座、おとめ座、てんびん座と、黄道十二星座を巡っていきます。
10月2日の留を迎え逆行に転じた後、11月12日の留で順行に戻り、年内はおとめ座の中に留まります。
年初から内合となる10月24日までは、日の入り後に「宵の明星」として西の空に輝き、それ以降は年末まで「明けの明星」として日の出前の東の空に輝きます。1年を通して観測しやすい年ですが、高度が高い5月〜8月の夕方、12月〜2027年1月の明け方が観測のチャンスとなります。特に、12月末には高度約35°(日の出時)まで昇り、天体望遠鏡では三日月のような形を観ることができるでしょう。
東方最大離角 | 8月15日 |
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西方最大離角 | なし |
内合 | 10月24日 |
外合 | 1月7日 |
留(順行から逆行) | 10月2日 |
留(逆行から順行) | 11月12日 |
※国立天文台参考値
2025年の金星惑星の動き
太陽に近い内惑星である金星は、1年を通して星座の中を大きく移動していきます。
年初にみずがめ座にある金星は、3月にかけてうお座へと移り、2月28日に留を迎え逆行に変わります。4月10日の留で順行に戻った後は、順行のままおひつじ座、おうし座、ふたご座、かに座、しし座、おとめ座、てんびん座と、黄道十二星座を巡っていきます。
年初から内合となる3月23日までは、日の入り後に「宵の明星」として西の空に輝き、それ以降は年末まで「明けの明星」として日の出前の東の空に輝きます。高度が高い1月〜2月の夕方、7月〜9月の明け方が観測のチャンスとなります。特に、9月19日の夜明け前にはしし座のレグルスに接近し、近くには細い月(月齢27前後)も昇り美しいでしょう。
東方最大離角 | 1月10日 |
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西方最大離角 | 6月1日 |
内合 | 3月23日 |
外合 | なし |
留(順行から逆行) | 2月28日 |
留(逆行から順行) | 4月10日 |
最大光度 | 2月15日(-4.9等級)、4月27日(-4.8等級) |
※国立天文台参考値
観測メモ
明け方の東の空と夕方の西の空に、地平線近くにひときわ明るく白く輝く金星。条件が良ければ、月と同じように満ち欠けをする金星の姿を見ることができます。
基本データデータの見方
半径 | 6.052 x 103 km(地球の約0.950倍) |
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質量 | 4.867 x 1024 kg(地球の約0.815倍) |
体積 | 9.284 x 1011 Km3(地球の約0.857倍) |
表面積 | 4.602 x 108 Km2(地球の約0.902倍) |
表面温度 | 462℃ |
自転周期 | -243.018 地球日(逆行) |
太陽からの平均距離 | 1.082 x 108 Km(0.723 AU) |
近日点距離 | 1.075 x 108 Km(0.718 AU) |
遠日点距離 | 1.089 x 108 Km(0.728 AU) |
公転周期 | 224.70 地球日 |