火星は地球の1つ外側をまわっていて、大きさは地球の半分ほどの赤い惑星です。

英語では、古代ローマの神話に登場する戦いの神に由来するマーズ(Mars)と呼ばれ、肉眼でも赤く輝いて見えることから「赤い惑星(Red Planet)」とも呼ばれています。

1960年代後半からのマリナー探査機やバイキング1号の火星着陸、近年では、マーズ・パス・ファインダーやキュリオシティ探査機による地表の分析など、数多くの探査機が調査を行っており、地球以外で最も良く調べられている惑星です。

2022年の火星

昨年末にさそり座にあった火星は、年初にはへびつかい座を通り、いて座やぎ座みずがめ座黄道十二星座を巡っていきます。10月31日にを迎えると、年内はおうし座の中を逆行します。

2022年は2年ぶりに火星が地球に接近する年で、最接近となる12月1日に向けて視直径がどんどん大きく、明るくなっていきます。最接近時の地球との距離は約8,145万キロメートルで中程度の接近となりますが、最接近の頃には視直径が17秒を越へ、明るさも-1.8等級ほどになります。南の空高く、冬のダイヤモンドに囲まれて美しい姿を見せてくれますので、天体望遠鏡で観測してみましょう。

火星が大きく明るくなってくる8月以降が観測のチャンスとなりますが、3月下旬から5月上旬にかけて、夜明け前の東の空には火星の他に金星木星土星などが並び、日によっては月も加わって賑やかな星空になります。一度に様々な惑星を観測できるチャンスとなりますので、お見逃しなく。

星座の中の火星の動き(1〜7月)
図:星座の中の火星の動き(1〜7月)
星座の中の火星の動き(8〜12月)
図:星座の中の火星の動き(8〜12月)
表:2022年の火星の主な動き
東矩なし
西矩8月27日
なし
12月8日
(順行から逆行)10月30日
(逆行から順行)なし

※国立天文台参考値

火星の姿

地表には水は無く、赤茶色の砂でおおわれた砂漠のような地形が続きます。さまざまな観測で水が流れたような地形が見つかっていることから、昔は地球のように川や海があったと考えられています。また、火星の南極北極にあたるところには、白く輝く極冠と呼ばれる氷の固まりがあります。

火星の極冠
イメージ:火星の極冠

火星には、フォボスとダイモスという2つの衛星があります。地球のにあたるものですが、その大きさは小さく、月の100分の1程度です。

火星は、太陽のまわりを楕円を描きながらまわっているため、およそ2年2ヶ月ごとに地球に接近し、さらに、15~17年ごとに大接近します。2003年8月の大接近は5万7千年に1度の非常に条件の良い大接近であったため、普段は小さく見える赤い火星がより大きく明るく見えて、世界中が火星ブームとなりました。

観測メモ

火星が地球に接近している時期が観測のチャンスとなります。倍率の高い天体望遠鏡で火星を観察すると、南極と北極にある白い極冠も観察でき、見る時期によってその大きさが変わっていくことが分かります。 火星にも地球のような季節の変化があり、気温の上昇などによって氷が溶けて大きさが変わるようです。

基本データデータの見方

半径3.389 x 103 km(地球の約0.532倍)
質量6.417 x 1023 kg(地球の約0.107倍)
体積1.631 x 1011 Km3(地球の約0.151倍)
表面積1.444 x 108 Km2(地球の約0.283倍)
表面温度-87℃~-5℃
自転周期1.026 地球日
太陽からの平均距離 2.279 x 108 Km(1.524 AU)
近日点距離 2.067 x 108 Km(1.381 AU)
遠日点距離 2.492 x 108 Km(1.666 AU)
公転周期686.98 地球日
衛星フォボス、ダイモス